平成15年1月国土交通省自動車交通局総務課安全対策室貨物貨
1、改正の背景
貨物自動車運送事業に係る区域の廃止及び運賃料金の事前届出・変更命令制度の廃止や、貨物自動車利用運送を貨物自動車運送事業法の規制対象とすること等を内容とする貨物自動車運送事業法の一部改正(鉄道事業法等の一部を改正する法律。以下「改正法」という。)について、154国会において成立したところである。(平成14年法律第77号)。今般、改正法の施行に併せ、必要な手続き事項の整備を行う必要があるため、貨物運送事業法施行規則及び貨物自動車運送事業報告規則の一部を改正することとする。また、改正法における営業区域規制の廃止にともない、貨物自動車運送事業に係る運行管理体制の強化を行う必要があるため、貨物自動車運送事業運輸安全規則の一部を改正することとする。
2、改正の概要
T 貨物自動車運送事業施行規則及び貨物自動車運送事業報告規則関係
(1) 貨物自動車利用運送に係る規定の整備について(施行規則第2条第3項、第3条第5項、第7条等)
改正法において、貨物自動車利用運送を貨物自動車運送事業の一部と整理したことに伴い、貨物自動車運送事業者が貨物自動車利用運送を行う際の事業計画記載事項
及び添付書類に係る規程の整備をおこなう。
(2) 営業区域の廃止に伴う規定の整備について(施行規則第2条第1項等)
改正法において営業区域規制を廃止したことに伴い、事業計画記載事項から営業区域を削除する等所要の営業区域を削除する等所要の規程の整備を行う。
(3) 運賃・料金の事前届出に係る規程の廃止及び事後届出に係る規定の整備について
(施行規則第9条、第27条、報告規則第2条の2)改正法において、運賃・料金の事前届出・変更命令制度を廃止したことにともない、運賃・料金の届出方法についての規程を削除するとともに、今後は、運賃・料金の設定後30日以内に届出を求めるべく規定の整備を行う。
(4) 事業計画添付書類の簡素化について(施行規則第3条第1項)
現在、事業計画の添付書類として提出を求めている事業収支見積書及び取扱貨物の予定数量については、行政による事前の関与を可能な限りなくすとの観点から、今後は提出を不要とする。
(5) 軽貨物自動車運送事業に係る届出簡素化について(施行規則第33条)
軽貨物自動車運送事業の参入に係る届出書の提出について、届出書の提出について、届出者の負担軽減を図る観点から、現在事業開始30日前としている届出期限を廃止するとともに国土交通大臣が軽貨物自動車運送事業標準約款を定めて公示した場合に、申請者又は事業者が運送約款を当該約款と同一のものに設定又は変更した場合については、貨物軽自動車運送事業経営(変更)届出書のうち約款に係る部分についての記載を不要とすることとする。
U 貨物自動車運送事業輸送安全規則関係
(1) 運転者に対する点呼の強化について(安全規則第7条)
当日の乗務前及び乗務後の点呼等のいずれも営業所において対面で受けない乗務を行う場合、乗務前及び乗務後の点呼に加え、乗務途中の点呼を行い、運転者から健康状態について報告させ、運行の安全を確保するために必要な指示をしなければならないこととする。
(2) 運転者に対する運行指示等の徹底について(新設)
上記(1)の乗務を行う場合は、運行指示書を作成し、これに基づき運転者に運行経路、安全上の注意箇所休憩地点・時間等について指示するとともに当該運行指示書を携行させることとする。
V 自動車事故報告規則関係(事故報告様式の改正)
元請事業者の下請事業者に対する輸送の安全の確保を阻害する行為の禁止について規定されたことから、貨物運送事業者が引き起こした重大事故が、元請によるものであったのか、下請によるものであったのか把握するなど、指導の参考等とするため、報告内容を充実させる。
W 改正法の施行に伴う省令の整備関係
改正法において「特定第2種利用運送事業者」が行う「特定第2種貨物利用運送事業者」に改正されたことに伴い所要の改正を行う。
3、スケジュール 公布 平成15年1月20日
施行 平成15年4月 1日
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