平成15年11月25日 経済産業省・中小企業庁
問合せ先:中小企業庁事業環境部取引課 担当者:本間課長補佐、山田振興一係長
電話 03−3501−1511(内線5291〜7) 直通 03−3501−1669
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下請取引適正化特別対策の実施について
現下の下請中小企業を巡る厳しい情勢の中、下請取引に関し重大な違反も見られ、下請取引適正化対策を抜本的に強化する必要が生じていることから、中小企業庁・各経済産業局は、公正取引委員会と連携し、以下の対策を重点的に講じることとする。
加えて、本年6月に、下請代金遅延等防止法(以下、「下請代金法」という。)、下請中小企業振興法(以下「下請振興法」という。)が改正され、下請振興法は11月1日から改正法が施行され、下請代金法は平成16年4月1日から改正法が施行されることから、これら改正法の周知を併せて図る。
1、重点業種に対する立入検査・指導等の実施
下請事業者の多い業種(電気機械器具製造業・一般機械器具製造業・輸送用機械器具製造業等)について重点的に親事業者に対する立入検査を実施する。また、これまでの立入検査等で、下請代金の遵守事項に係る違反を指摘し指導を行った親事業者を対象とし、改善措置の遵守状況について立入検査を行う。
検査の結果に基づき、必要に応じ事業者に対し厳重な指導を行うとともに、特に重大・悪質な違反が認められた場合は速やかに公正取引委員会に措置請求を行う。
2、親事業者に対する下請事業者の把握状況の調査の実施
資本金規模に比して下請事業者が少ない親事業者等に対して、下請事業者の把握状況について立入検査を行い、下請代金法の遵守について厳正な指導を行う。
3、親事業者に対する文書による下請取引の適正化等についての周知徹底
下請中小企業者を巡る取引において下請代金法違反が生じることのないよう、経済産業大臣、公正取引委員会委員長連盟の通達を、親事業者、事業者団体に対して発出する。
また、事業者団体に対して、改正下請振興法に基づく振興基準の事業者への周知及びその遵守を要請する文書を、経済産業大臣及び主務大臣名で発出する。
4、業界団体への下請取引関連施策の説明の実施
業界団体の定例会等を利用し、改正下請代金法・改正下請振興法及び同法に基づく振興基準を周知するとともに、下請中小企業振興施策の普及を図る。
5、講習会等における事業者への下請取引関連施策の周知
新たに下請代金法、下請振興法の対象となるサービス業等を含め、事業者に対して講習会等の場で改正法の内容・振興基準及び下請中小企業関連施策等について周知を図る。
6、下請中小企業者等の相談窓口の設置
事業者からの下請取引に係る相談等を受け付ける窓口を中小企業庁に設置する。
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下請代金支払遅延等防止法に基づく下請中小企業者の利益の保護
下請取引上の親事業者の義務と禁止事項を定めています。
下請取引のルールは、「下請代金支払遅延等防止法」によって定められています。
この法律は、親事業者(発注者)の不公正な取引の規制と下請事業者の利益の保護を図るため、下請取引上の親事業者の義務と遵守事項を定めています。
中小企業庁及び公正取引委員会では、親事業者がこの取引のルールを守らなかったときは、是正するよう指導を行っています。
■法律の適用範囲
この法律は、親事業者が下請事業者に物品の製造又は修理を委託したとき※に適用されます。なお、建設工事の請負は、別途「建設業法」(国土交通省所管)という法律が適用されます。
※ 資本金3億円超の法人が3億円以下の法人又は個人に委託する場合、資本金1千万円超3億円以下の法人が、資本金1千万円以下の法人又は個人に委託する場合が対象となります。
親事業者(発注者)の義務
○注文する時は、直ちに取引条件などを書いた書面(注文書)を出すこと
○注文した内容等について記載した書類を作成し、2年間保管すること
○注文品などを受け取った日から60日以内でできるだけ早い日を代金の支払日と定めること
○注文品などを受け取った日から60日を過ぎても代金を支払わなかった場合は、遅延利息(年率14.6%)を加算して支払うこと
親事業者(発注者)の遵守事項
下請事業者に対し製造委託又は修理委託をした場合は、以下の行為をしては行けません。
○いったん注文した物品などの受け取りを自分の都合で拒むこと
○注文品を受け取った日から60日以内に定めた支払期日までにその代金を支払わないこと
○注文したあと自分の都合でその代金を減額して支払うこと
○受け取った注文品などを自分の都合で返品すること
○注文するときに非常に低い単価を不当に定めること
○自社製品などを無理やり購入させること
○一般の金融機関で割引を受けることが困難であると認められる手形を交付すること
○有償で支給した原材料等の対価を、下請代金の支払期日より早い時期に相殺したり支払わせること
○中小企業庁または公正取引委員会への通報を理由として不利益な取扱をすること
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